JYGN では,原子力に携わる若手が,自らできること・やりたいことを模索し,実際に活動することを,基本方針としています。日常業務や個人の活動では得難い学びの場を自ら創り,参加することを通じ,自己研鑽を図っています。

若手勉強会(Young Generation Roundtable)

JYGN では,2016 年度,「若手勉強会」(Young Generation Roundtable)を新たに立ち上げ,日常業務に捉われない自己研鑽の場として,定期的に会合を開催することとしました。この勉強会は,「若手が自ら学びたいことを学ぶ」というコンセプトで運営しており,2 ~ 3 か月に一度のペースで開催しています。また,「チャタム・ハウス・ルール」を採用し,率直且つ質の高い議論の実現を目指しています。

勉強会のテーマは,若手の関心に加え,社会的情勢や勉強会相互のつながりも意識して選定しています。2016 ~2017 年度前半にかけては,高速炉開発政策の大きな変化を踏まえて,「もんじゅ」(第 1 回),次世代炉の研究・開発(第2 回),米国の原子力イノベーション動向(第 3 回),そして NEFY(後述)でのシナリオ・プランニング,という一連の流れを構想しています。

勉強会では,若手相互の話題提供や,外部講師をお招きしてのご講演を踏まえた上で,参加者間で活発な議論を行っています。これまでの勉強会の内容は原子力学会誌上にて随時報告していますので,是非ご覧ください。また,技術的な側面だけでなく,政策やガバナンスのあり方も含めて議論していますので,「技術のことはわからない」という方でも大丈夫です。ご関心のある方は,お気軽にお問合せください。

若手勉強会開催一覧

回次期日テーマ
第27回2022年6月「海に浮かぶ原子力発電所~イノベーティブな検討による1F事故の反省を踏まえた原子力システム~」
第26回2022年3月「自身で将来の原子力産業を予測する!!~新型「核燃料サイクルシミュレータ」で定量的に議論~」
第25回2022年2月「健全な「核燃料サイクル」に必要なものとは何だろう」
第24回2021年12月「米国から見た日本の原子力」
第23回2021年9月「医療・生命科学に貢献する原子炉の役割。―新たな試験研究炉がもたらす産業イノベーションの可能性―」
第22回2021年9月「放射線は義務教育でどのように教えられているか」
第21回2021年9月「電力系統の概要とカーボンニュートラルに向けた課題」
第20回2021年8月「OECD/NEAで働く若手日本人職員に聞く。」
第19回2021年6月「メディアを知る」
第18回2021年6月「2030年温室効果ガス46%削減目標の達成は可能か?」
第17回2021年6月「核融合の早期実現という破壊的イノベーション」
第16回2021年1月「気候変動問題入門:なぜ『カーボンニュートラル』を目指すのか?」
第15回2020年12月「高速炉サイクル若手座談会」
第14回2020年9月「宇宙探査における原子力利用」
第13回2019年11月「脱炭素化、イノベーション、原子力の役割」
第12回2019年9月「原子力防災に携わる。―現場から研究室、そして現場へ―」
第11回2019年5月「原子力プラント建設の技術継承②」
第10回2019年1月「放射線問題と国連 ~2つの『国連』報告を読み解く~」
第9回2018年12月「国際協力・海外進出の現状と今後」
第8回2018年7月「著者と語る『日本の原子力外交-資源小国70年の苦闘』」
第7回2018年5月「原子力プラント建設の技術継承」
第6回2018年2月「原子力安全と自治体行政:福井県の経験から」
第5回2017年11月「安全神話とは何か。私たちは本当に安全神話に囚われていたのか。」
第4回2017年10月「次世代小型モジュラー炉:シンプルで安全、そして経済的な選択肢」
第3回2017 年 4 月 14 日「原子力の将来とイノベーション」
第2回2017 年 2 月 3 ~ 4 日「次世代炉開発に向けて考慮すべきことは何か?」
第1回2016 年 10 月 28 ~ 29 日「もんじゅを見つめ直す:Reconsidering "Monju"」

日本原子力学会での企画セッション

JYGN では,日本原子力学会の年 2 回の大会において,2002 年以降継続的に企画セッションを企画・運営してきました。これまでの企画セッションでは,県知事や原子力委員長など若手個人として関わることの難しい立場の方々を招いての意見交換や,法律や地域政策など他分野の専門家とのパネルディスカッション,学生も交えての人材育成についての議論など,個々の専門領域や所属組織にとらわれず,幅広いテーマを扱っています。

近年の原子力学会 YGN 企画セッションの例

開催年月セッションタイトル開催地
2013 年 9 月「若手×学生×原子力 座談会 ~若手と学生で考える原子力の将来~」八戸工業大学
2014 年 3 月「原子力人材確保・育成のための具体策の一つとして ~ロールモデル集の作成~」東京都市大学
2014 年 9 月「徹底討論:業界活性化のために 今,若手にできること」京都大学
2015 年 9 月「炉物理・核データ分野の若手からのチャレンジ・提言」
※炉物理部会・核データ部会と合同
静岡大学
2016 年 9 月「原子力ガバナンス再考:『中央 VS 地方』を超えて」久留米シティプラザ

原子力若手討論会(NEFY: Nuclear Energy Forum of Young Generation)

JYGN では,原子力を取り巻く状況の激しい変化を踏まえて,若手が置かれている現状や課題等について語り合い,自らのあるべき姿と原子力の将来像を模索したいと考え,「原子力若手討論会」(NEFY: Nuclear Energy Forumof Young Generation)を開催しています。 

本討論会は,JYGN 会員を中心に,組織や専門分野を超えた若手をひろく集め,「チャタム・ハウス・ルール」の下で個人として本音で議論することを通じ,「それぞれの問題意識を共有し視野を広げること」「将来について自ら考えるきっかけを得ること」「組織を超えた若手間の人脈を築くこと」「原子力の将来へ向けた具体的な活動を模索すること」を目的としています。

なお,本討論会の開催には,原子力人材育成ネットワーク及び日本原子力産業協会にご協力をいただいています。

チャタムハウスルール: 会議の参加者は参加者の発言内容を自由に引用してよいが、 発言者の氏名、所属を公開してはならない

NEFY 開催一覧

回次期日テーマ参加者
第1回2012 年 6 月 1 日「日常の業務・生活を通じて感じる問題意識」92 名
第2回2013 年 6 月 7-8 日「今後 10 年以内で若手が実施すべきこと」88 名
第3回2014 年 10 月 3-4 日「原子力の課題! 専門を超えてできること」51 名
第4回2017 年 6 月 2-3 日「原子力の未来をどう描くか? 原子力の未来をどう描くか? 若手が考えるシナリオ 2040」67名

これまでに開催した 3 回の討論会では,核燃料サイクル政策や高レベル放射性廃棄物の処理処分に関する課題等について,ディベート形式やアイディア創造型議論を行ってきました。第 4 回は,シナリオ・プランニングの実践を企画しています。

本討論会が,原子力に携わる若手世代にとって,視野を広げ,将来について考えるきっかけとなるとともに,組織や企業を越えた同世代のネットワークを構築し,自らのあるべき姿と原子力業界の将来へ向けた具体的な活動につながることを期待しています。

YGN セミナー

JYGN では,「行けないところ」「見られないもの」「会えない人」に「行く」「見る」「会う」をコンセプトとして,さまざまな企画を自ら立案し,JYGN セミナーとして実施しています。近年は,「高速増殖原型炉もんじゅ」や「六ヶ所再処理工場」の見学会,英国から廃止措置専門家を招いての講演会,学生との討論会などを開催しており,広い視野を持った若手技術者の育成とネットワークの形成を目指しています。

近年の主な YGN セミナーの開催例

開催年月概要
2014 年 9 月もんじゅ・ふげん見学会
2014 年 11 月YGN セミナー in 関西(若手と学生の対話会)
2014 年 11 月関西原子力若手交流会(大飯発電所見学)
2015 年 7 月六ヶ所再処理工場見学会
2016 年 4 月もんじゅ見学会
2017 年 1 月講演会「英国における廃止措置の現状」
※東京電力廃炉カンパニーと共催